7/7~14 北海道 初夏の北海道虫採り旅行! 後編 |
2014年 07月 16日 |
車中泊で一番ぐっすり眠れた気がします。笑
今日は午前中はハナカミキリ狙いで花掬い、午後からは河川敷で採集の予定。
早速花掬いに…と行きたいところですがまだ時刻は5時過ぎ。
ぐっすり眠れたというのはあくまで質の問題で、超早起きなのは変わりませんw
これはあの動物を見に行くチャンスか。
1時間くらいで行けるみたいだし、行って帰ってきてちょうどいい時間帯だろう。
車を走らせて着いたのは、とある湖の近く。

湖の周りの斜面のガレ場にその動物はいます。

こんな感じのとこ。
着いてすぐ、早速鳴き声が聞こえました。
そして数分後、目の前の岩場に登場。

ナキウサギです。



あーこれは、かわいいわ…。笑
大きさはデカ目のゴールデンハムスターくらい。
ほんの十数分いただけですが、2頭見れたので満足。
再びカミキリ採集のエリアに戻ってきたのは8時ごろ。
予定通りの良い時間です。
戻ってくる途中でもオオイチがかなり飛んでいました。
後ろから車来てなくて停まれる時はその都度停まって採集。

おそらく交通事故にあって飛べなくなった個体。
昨日下見して見つけたショウマを見ていきます。
モモブトハナはそこそこいる。

モモブトハナカミキリ Oedecnema gebleri (Ganglbauer, 1899)
やっぱり北海道だと普通種みたい。
層雲峡側にも行ってみましたが、モモブトハナとオオイチが数頭採れたくらい。

この橋に短時間で数頭のオオイチが飛来してきました。
1頭採って三角紙に入れようとしたらもう1頭飛んできたから1頭ネットに入れたまんま捕まえたわww
林道をもっと奥の方の標高の高いところまで入れば成果も変わったのかもしれませんが、オオイチと遊んでたら時間なくなりました/(^o^)\
昼からは河川敷採集が待っているので一気に山を下りて帯広へ。

帯広といえば農業と畜産のイメージ!道の周りは畑or牧場!
今は帯広は通過するだけで、さらに南下してとある河川敷へ。

この河川敷にはケショウヤナギという北海道でも分布が限られたヤナギが生育しています。
おそらくそのケショウヤナギをホストにしているであろうカミキリが、オクエゾトラカミキリ。
ケショウヤナギの流木に来ているらしい。
河川敷採集はこの前のヤマナラシモモブトで経験済みなので、もう迷いはありません。
長靴に水が入ろうがお構いなしです。
羽脱孔の空いたヤナギがありました。

これがケショウヤナギかと思いましたが、どうも普通のヤナギみたい。
羽脱孔はオクエゾトラかトホシか、それともハネビロハナみたいな普通種か。
しばらく歩いて見つけたのはこの新鮮な流木。

樹皮からするとドロノキっぽい。トホシがいるかも…。
じっくり見ていくと、材の上をちょろちょろと走り回るカミキリが。
見た瞬間、手が伸びていました。

オクエゾトラカミキリ Xylotrechus adspersus (Gebler, 1830)
まじで採れた…。
いや、若干時期遅いかもなーとか思ってたんだよ。
今年のっぽい羽脱孔ぼこぼこ空いてたし。
しかしカッコ良いなあ…。
渋いわ。
写真見て絶対好きな奴だって思ったけど想像以上に良いカミキリ!
もう1頭くらいついてないかなーとか思って裏面を見てみると…。

!!

まじですか。まじですか!
1頭目よりでかいし!
大き目のウスイロトラくらいあります。
さらにもう1頭裏面にいました。
すげーなこの木。
他の流木ではトラハナムグリ。

トラハナムグリ
こいつもカッコ良い!
1時間ほど歩いたところで引き返します。
帰りにもさっきの流木を見たらまた2頭ついていました。
計5頭、ちょっと出来すぎやしないか…?笑
中州から河川敷に戻って河畔林を眺めていると見慣れないヤナギが。

おそらくこれがケショウヤナギなのでしょう。
葉はバッコヤナギのような幅広系のヤナギの葉ですが、樹皮はドロノキに似ています。
ということはあの流木もケショウヤナギか。
オクエゾトラ採集の後は今度こそ帯広へ。
今日は土曜日、帯広には週末と月曜の週3日間だけのイベントがあるのです。

やって来ました帯広競馬場。
ばんえい競馬です。
銀匙で読んだからってのと、府中って東京競馬場あるから数回だけだけど競馬見に行ったことがあって、ばんえい競馬も見てみたいって思ってました。

道産子。
サラブレッドとは全然違う。がっしりしてる。

普通の競馬みたいに猛スピードで馬が駆けてくのを見るのもいいですけど、こっちのパワー系もなかなか( ̄▽ ̄)
馬券は明日買うことにして、2レースだけ見て夕飯へ。

豚丼!
夜はネカフェ。
疲労が溜まってるはずだけどジョジョ4部読み切るまで起きてた笑
13日
ネカフェを6時に出発。
結局3時間くらいしか寝てないww
ネカフェを出たときは曇りだったのですが、雲というよりはガス。
これは時間が経てば晴れるし、標高を上げればたぶんこういう低いガスは無くなるはず。
予想通り、山に近づくにつれて天気が回復し、現地は雲こそあるものの日も差しています。
ネカフェで調べたところ目標の3種は標高1000mはないと駄目なようなので、今日は昨日よりももっと標高の高いところを探してみます。
昨日は高くても900mほどでした。そりゃいないわ。
峠の近くの標高の高いところにある沢を少し歩いてみたりしてショウマを掬いましたが目ぼしいものはモモブトハナくらい。
なので、昨日も入った林道をもっと奥まで行ってみることに。
事前に地形図を見て、この林道も峠を越えるために高標高の場所まで続いていることは把握済みです。(なら昨日のうちに行っとけよ)
林道を入ってしばらく進んだとこにあるトドマツの立ち枯れにはラギウムが。

ハイイロハナカミキリsp
タダハイイロか、エゾハイイロか。
どっちにせよラギウムは初採集( ̄▽ ̄)
シラフヨツボシヒゲナガもついていました。
林道をどんどん奥に行くと、まだ標高は低い場所ですがショウマがまとまって咲いている場所が。

車の中からも飛んでいるカミキリの姿が確認できます。
早速降りて掬うと、ヤツボシハナやツヤケシハナなどの常連、モモブトハナに混じって見慣れないカミキリが。

キモンハナカミキリ Leptura duodecimguttata Fabricius,1801
一瞬シララカ!?と思いましたが、キモンハナでした。
けどキモンハナも初採集!
さらに標高を上げると、林道は沢沿いを外れて山の斜面へ。
上り坂の方の斜面は崖のようになっていて花は少ないですが、反対の斜面にはセリ科やショウマなど、カミキリの来そうな花がそこそこあります。
花がある度に車を停めては確認して、を繰り返していると、裏から見るとやけに寸詰まりなモモブトハナのようなカミキリが。
手でつかんで確認すると、トホシハナでした。

トホシハナカミキリ Brachyta danilevskyi Tshernyshev et Dubatolov,2005
おおっ、トホシハナ!
こいつも欲しかった!
本州じゃ高山蝶ならぬ高山カミキリです。
狙いの3種は採れないけど、それなりにいいカミキリが採れて嬉しい( ̄▽ ̄)
さらに少し進むと峠のてっぺんに出てしまいました。
ここからは引き返してまた花を見ていきます。
先程トホシハナを採ったところから少し下ったところにあるセリ科の花。

シシウドじゃなさそうだけど、エゾニュウとかアマニュウとか?
いつものように車を降りてカミキリが来ていないか確認すると、ヤツボシハナに混じってエリトラの赤いカミキリが花上で交尾していました。
あれはクビボソハナ!
急いでネットを出して慎重に花に被せます。
良かったーやっと目当てのやつが採れた…。
クビボソは3種の中でも一番個体数多いらしいから採れて当たり前って思ってたけど、標高考えないと採れるものも採れないか…。
期待に胸を膨らませて網の中を覗き込むと…
い な い
はい?
いやいやいやいや、一緒にいたヤツボシハナは入ってんじゃん。
なんでクビボソいないわけ?
嘘だろ、確実に採れたと思ったのに…。
あーショック…。
けど、クビボソならきっとまた他の個体が来るはず…!
そう思いしばらく待っていると、予想通り1頭のクビボソハナが飛来しました。
まあペアでは来ないって分かってたけど、1頭だけでも採れれば十分か…。
今度はカミキリ用のデカいネットを花の下にあてがって揺らします。
クビボソが網の中に落ちていくのが見えました。
次の瞬間。
繰り出し竿が節目がうまく固定されていなかったのが、するすると伸びていきます。
そして網が1回転。
おい!
おいおいおいおいおいおいおいおい!!!!!
急いで網を引き寄せますが、そこにクビボソハナの姿はありませんでした。
オオイチだけじゃなくてカミキリでも相性悪いのか大雪は…?
こうなったら採れるまで粘ってやる…!
トホシハナの採れた花など、近くの花と行ったり来たりしながら待つこと十数分、3度目のクビボソ飛来。
2度あることは3度ある、になるか、3度目の正直にできるか…。
今度の個体は花にとまったり飛んだりを繰り返しているので、飛んだところを狙ってネットを振ります。
今度も網の中に入るのが見えました。
ネットの回転も無し。
手元に寄せてくるそのときも、しっかりと網の中にいるクビボソハナの姿が見えていました。

クビボソハナカミキリ Nivellia sanguinosa (Gyllenhal,1827)
あーやっと採れた…。
なんとなくヒラヤマに似てる?
ここに来る前はまあクビボソくらい余裕っしょ!とか思ってたけど全然余裕じゃなかったww
いや、昨日か一昨日のうちにここの場所を見つけてたら余裕だったんだろうけど笑
複数頭採集、そしてあわよくばシララカやエゾスミイロも…と思いもっと粘りたかったのですが、ここで雨が降り出してしまいました。
もともと今日は午後から雨予報だったのです。
これでは仕方がない。ていうか昼飯買ってないから腹減った…笑
まあクビボソ以外にも面白いのが採れたし、良しとしよう。
ここからまた100kmほど走って帯広に戻ります。
もう完全に感覚麻痺して100kmなんて全然遠く感じなくなった…。
言うて100kmって名古屋から浜松とか飯田とかそこらへんまでだしね、よく行ってた距離だし笑
帯広に戻って、今日もばんえい競馬。

メインレースで3連単当たった!
超ベタな着順で馬券の買い方も置きに行った感じだから当てたというより当たっただけど、一応初めて3連単当てたんで嬉しいです( ̄▽ ̄)
夜はまた豚丼w

こっちの方が肉がジューシーで好きかも。
明日はどうなるでしょうか。
できれば今日の場所にまた行きたいけど、天気予報は曇り時々雨。
14日
朝起きると空はどんより。
昨日のようなガスではなく、完全に雲です。
しかも夜のうちに雨降ったっぽい。
…帰ろう。
早く帰るのは後で払うツケが小さくなるだけだからね笑
途中夕張を通ったので夕張メロン食べたり、チーズ買ったりして帰りました。
今回は1週間という、おそらく今までで最も長い期間の虫採りでした。
これまで春休みに5日間かけて石垣へ行ったりはしましたが、この時期に1週間も時間がとれるのは、今後もきっと無いでしょう。
どういう進路に進むかにもよると思いますがw
この学部4年っていうのが授業もないし、卒論はあるけどまだデータ集めの段階で調査のないときは比較的フリー(そういう時間を利用してすべきこともある)だしで、いいタイミングで北海道にいられたと思います。
残り2種の高地性カミキリはまたリベンジしないとですね。
リベンジできるのはいつだろう…?
採集結果
オオイチモンジ、コヒオドシ、ホソバヒョウモン、アカマダラ、キタアカシジミ、ウラジロミドリシジミ、ファボニウスsp、ウラミスジシジミ、ウスイロオナガシジミ、ウラゴマダラシジミ、カラスシジミ?、リンゴシジミ、カラフトセセリ、エゾシロチョウ、ヒメウスバシロチョウ、クビボソハナカミキリ、トホシハナカミキリ、キモンハナカミキリ、モモブトハナカミキリ、ホクチチビハナカミキリ、ハイイロハナカミキリsp、ツヤケシハナカミキリ、グラフィラsp、オクエゾトラカミキリ、クロトラカミキリ、オオマルクビヒラタカミキリ、トホシカミキリ、シラフヨツボシヒゲナガカミキリ、トラハナムグリ
▲ by taiyaki-i | 2014-07-16 09:08 | 採集記